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ブランディングとはクレドをつくること。といっても過言ではない。

『クレド』といわれる信条をまとめた冊子をご存知でしょうか。その会社や組織が大切にしていることが書かれてあり、社員さん全員に配布している会社もあります。いつでも見返せるように持ち運びに便利なポケットサイズになっていたりもします。最上級の素晴らしいサービスを提供しているリッツ・カールトンホテルではクレドカードを全社員が常に持ち歩いていることはとても有名です。

このクレドを創るのがぼくの仕事です。


クレドにはこのようなことが記載されてあります。


・理念(判断基準、価値観、らしさ)
・ビジョン(会社の目的、誰を幸せにするのか、方向性)
・ミッション(使命、何をどのようにやっていくのか)
・行動規範(こういうときはこう判断するという基準)


一例ですがこのようなことが書かれてあります。

創るといってもぼくひとりが机の上で考える訳ではありません。社長と二人で部屋に閉じこもって制作したりもしません。社員さん全員で創っていきます。社員数が多い場合には幹部の方10名程度を選抜してもらいます。毎月そのメンバーに研修をさせていただき、あらゆる角度でディスカッションを重ね、数年かけて創っていきます。もちろん数年後にポンっと完成するものではなく、毎月徐々に固まっていき、それを磨いていくといったイメージです。

もちろん、クレドは『創ること』が目的ではありません。そこに書かれている内容からブレないように常に立ち返ったり、毎日確認することで迷わない自分を形成していくことに意味があります。

自分たちの想いを時間をかけて言葉にしていくので、気持ちにも大きな変化が表れます。例えば「昔は想いを持って仕事していたのにいつのまにかマンネリ化していた」と初心に戻れたり、「仲間のみんなも実は素晴らしい考えを持ってくれていたんだ」と仲間同士の心がグッと近づいたり。社員さん同士ももちろんですが、社長と社員さんの心も繋がっていきます。「社長はそういう想いで自分たちのことを考えてくれていたんだ。それならこの会社でさらに頑張って社会に貢献していきたい」といったことなど、たくさんの共鳴が生まれます。

共通言語ができていきますから非常に強い組織体となっていきます。例えば『がんばる』というワードひとつとってもしっかりすり合わせしておかないと個人によって解釈や認識の違いが起こります。実際にこのようなことが起こった経験が過去にあります。5歳年下のぼくの部下はいつもがむしゃらに仕事していました。手を抜くこともないし、その一生懸命さは評価すべきものでした。しかし、周りの仲間から全く評価されていませんでした。その理由は、周りには一切手を貸さない、協力しない人間だったからです。『がんばる』の解釈が周りとは全く違うわけです。その部下には信念のようなものがありました。『一人ひとりが自分の責務を全うしていれば全てがスムーズに進む』という考え方です。

確かにその通りです。理屈では。しかし人間は感情の生き物ですし、世の中は感情でできています。ですから理屈や理論通りにはいきません。想定外でイレギュラーな問題が発生することもありますし、人間なんて弱い生き物なのでやる気がでない日だってもちろんあります。たとえ手伝えなくとも、気にかけているよと声がけするだけで精神的にすごく助かる場面もあります。困ったときに助け合ったりしているからこそ心と心が繋がりいい仕事ができるようになります。「俺も頼らないんだからみんなも俺を頼るな」となってしまうと周りを拒絶し心を遮断することになります。

仕事なんて心の繋がりが全てといっても大袈裟ではないでしょう。その心の繋がりがモチベーションになったり、よりいい仕事をしたいという気持ちを形成したりします。そしてさらに高い価値を提供できるのです。

余談が長くなりましたが、そのように解釈の違いや行き違いを起こさないようにするために共通言語が重要だということです。この事例でいうと『がんばる』とはどういうがんばりなのかを明確にすることです。

共通言語は社員さんの心を繋げます。そして自分のためだけでなく、仲間のためにがんばり、社会の成長のためにがんばってくれます。

社員さんがそういう気持ちで仕事していけば当たり前ですが提供する価値も格段に高まっていきます。

ぼくの研修では言葉磨きだけではなく、マーケティングも徹底して進めていきます。マーケティングとは市場分析です。競合他社はどこなのか、強みと弱みは何か、社会変化や技術革新などからのチャンスと脅威は何があるのか。顧客にしたいターゲットはどこにいてどうアプローチすればいいのか。ぼく自身、イオンやリクルートでマーケティングもトコトンやってきました。

そういう観点からも毎月洗練し続け、全員の想いの込もったクレドが完成していきます。

このクレドが完成したときにはもうすでに素晴らしいブランディングが出来上がっていることは容易に想像できるのではないでしょうか。

最後にぼくの会社のクレドを紹介させていただきます。

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こんなサイズ感です。全10ページ
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1〜2ページ目 『世界観』を表す言葉があります。『鋭く美しくある』
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3〜4ページ目  経営理念
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5〜6ページ目  ビジョンと哲学
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7〜8ページ目  5つの道(行動規範のようなものです)。武士道では『義勇仁礼誠』ですがぼくらしさを表現するために『静』に置き換えています。
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9〜10ページ目  プロフィール

以上のような仕事をしております。
社長の想いを整理し、社員さんの想いを引き出し、心と心を繋げていくブランディング。さらに高い価値を提供していきたいとお考えの社長さんはぜひご相談くださいませ。きっとお役に立てるはずです。

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